糖質制限をはじめたとき、「糖質・炭水化物・糖類・糖分って何が違うの?」こんな疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。
そんな悩める方に向け、このページでは「糖質」「炭水化物」「糖類」「糖分」それぞれの特徴を分かりやすく解説。商品に表示されている糖質ゼロや糖質オフといった表示の意味も紹介していきます。食事制限に疑問を感じている人は、参考にしてください!
炭水化物
炭水化物は、脂質・たんぱく質・炭水化物から構成される3大栄養素の1つで、糖質と食物繊維を合わせたものです。
糖質がエネルギーとして使われる一方、食物繊維は消化酵素で消化されず大腸にまで達するため、便の体積を増やす・腸内環境を改善するとして便通に悩む方からも注目されています。よって炭水化物を抜きすぎると、便秘気味になる可能性も。
疾患を抱えている方や不安な方は、専門知識を持った医師や管理栄養士に相談しながら、炭水化物の摂取量を制限することをおすすめします。
ちなみに、栄養表示基準において、タンパク質、脂質、水分、灰分(かいぶん/カルシウムや鉄などミネラル成分の総称)に分類されないものはすべて、炭水化物と考えます。
糖質
糖質とは、炭水化物から食物繊維を抜いたものです。
多糖類・二糖類・単糖類の総称で、栄養表示基準では、炭水化物の代わりとして「糖質〇g/食物繊維〇g」と表示されていることも。
糖質制限をする方が気にする糖質量の多い・少ないは炭水化物量でざっくり判断することはできますが、食品によっては炭水化物量が多いからといって、糖質も多いと言えない場合もあるんです。
例えば、大豆100gのうち炭水化物は28.2gですが、そのうち食物繊維の量が17.1gを占めるため、糖質量は11.1gとそれほど多くありません。一方、ごはん100gの炭水化物は37.1gですが、食物繊維が0.3gとほとんど含まれていないので、糖質量36.8gと糖質多めなんです。
糖質制限と聞くと甘いものをイメージする方も少なくありませんが、ごはんなどの主食、芋類、とうもろこし、ケチャップなど調味料の一部にも糖質が多く含まれるので、正しい知識を持って取り組むことが重要になってきます。
糖類
糖質の中の1つとして分類される糖類は、単糖類と二糖類の総称を指します。
単糖類とは、1つの分子で構成されそれ以上は分解しないもの(ぶどう糖、果糖)。二糖類とは、単糖類を2つ結合させたものを指します(砂糖、乳糖、麦芽糖)。糖類は摂取後すぐ体内に吸収され、血糖値を急速に上げてしまうリスクが。
特に糖尿病など血糖値コントロールが必要な方は、摂取量に注意が必要です。
巷には「糖類ゼロ」といった商品がありますが、そういった商品の場合、糖類は使用されていないかもしれませんが、その他の糖質が使用されている可能性があるため、安易に摂取するのはあまりおすすめできません。
糖分
糖分は明確な定義が無く、広い意味における甘いもの、甘みの度合いを示す表現です。ケーキやクッキーといった甘いお菓子はもちろん、ごはんや芋類など糖質が多く含まれる食品を指すことも多い単語。
もし「糖分を控えるようにしてください」というような指摘をされたら、甘いものだけでなく糖質が多い食品を控えるべきと受け取っておきましょう。
糖質・炭水化物・糖類・糖分が多く含まれた食品
食品の中には、糖質・炭水化物・糖類・糖分を多く含んだ食品がたくさん存在します。意外と糖質が多い食品、勘違いされやすい食品もあるので、注意するようにしてくださいね。
ごはん・パン・麺
ごはん・パン・麺を始めとする穀類は、炭水化物や糖質を多く含む食品です。日本人はごはん(白ご飯)を中心にメニューを考えがちだったり、ラーメン+チャーハンのように「主食+主食」の組み合わせも多いので、糖質過多になりやすいとされています。
また、パンには甘みやしっとり感を出すため白砂糖がたっぷり使われていることも多々。またフルーツやチョコレートなどを使ったパンもあるので、食べる頻度や量を考えていくことが大切。
ラーメンの大盛、ごはんの大盛などもうっかりやってしまいがちですが、一気に糖質の摂取量が跳ね上がってしまうので注意が必要です。
クワココくん
芋類
芋類も糖質が多いので注意が必要。特にサツマイモやジャガイモは要注意です。
サツマイモはごはん並みに糖質が多い食品ですが、大学芋やスイートポテトのように、さらに砂糖を加える場合もあります。また、ジャガイモはフライドポテト、ポテトサラダなど身近なメニューも多いので、食べる量には注意が必要です。
クワココくん
フルーツ・果物
「お菓子がダメでも、フルーツなら!」「果物は栄養価が高くてヘルシー!」そんな風に考えて、フルーツを選ぶ方も少なくないようです。しかしフルーツがお菓子よりも低糖質だと考えるのはちょっと危険です。
その理由が、フルーツに含まれている果糖。果糖は単糖類の1つで、立派な糖質です。フルーツはさっぱりしていることもあり、注意しないと食べ過ぎてしまうことも。
りんご・柿・ぶどう・マンゴー・バナナといった糖質が多く含まれているフルーツは、控えめにしておくことをおすすめします。
スイーツ
言わずもがなですが、甘いスイーツは注意が必要。例えば大福1個で糖質約48g、ホットケーキ1枚で糖質約50gと、かなりの糖質が含まれます。ごはん1膳(160g)の糖質はおよそ59gですから、糖質の多さがわかるでしょう。
ごはんを食べたあとのデザートに…と食べてしまうと糖質の摂取量は大幅アップしてしまうので、どうしてもスイーツが食べたいときは主食を調整するなどの工夫が必要になってきます。
最近では糖質カット・糖質オフといったスイーツも多く市販されるようになっていますから、できるだけそういったスイーツを選びたいところです。
とうもろこし・かぼちゃ・根菜類
身近な食品でもあるとうもろこしやかぼちゃ、ゴボウ、にんじんなどの根菜類も、実は糖質多めです。
100gあたりの糖質量は、とうもろこしが61.6g、西洋かぼちゃが17.2gとかなり高く、他にもゴボウが9.7g、れんこんが13.5g、にんじん6.4gと野菜の中でも糖質が多めです。
大根(糖質2.7g/100g)、かぶ(糖質3.1g/100g)など糖質が少なめな根菜類もあるので、やはりある程度正しい知識を身に着けておくことが、糖質制限において重要になってくると言えるでしょう。
食事制限中の人におすすめの食品
食事制限をしている人にとっては、「何を食べるか」が重要なポイント。食事制限をしている人に特におすすめしたい食品を紹介するので、参考にしてください。
肉類・魚介類
基本的に肉類・魚介類であれば、糖質はほとんど含みません。一部、しじみ、アワビ、牡蠣、ホタテ貝柱など糖質がやや多めな食品もありますが、いずれにしても糖質は100gあたり5g未満ですから、量さえ注意しておけば問題ないでしょう。
塩・コショウ、ポン酢、しょう油などシンプルな味付けにすることで、糖質の摂取量も抑えられます。またバターやオリーブオイル、ごま油などの油類は脂質が多めなものの、糖質は少ないので糖質制限の観点ではOKですから、調理法も困らないと思います。
ただし甘めのタレや、つなぎにパン粉たっぷりのハンバーグなどは避けておきましょう。
肉類・魚介類は、筋肉の材料となるタンパク質も豊富な点も魅力。例えば普段、ステーキ150gとライス普通盛りをオーダーしている方なら、ステーキを200~300gと増量し、ライスを半分にするだけで、簡単に糖質制限をすることができるんです。
葉野菜
レタス、キャベツ、ほうれん草、小松菜、モロヘイヤなどの葉野菜は、基本的に糖質が少ないので気にせずたくさん食べていただきたい食品です。
また葉野菜ではありませんが、きゅうり、ブロッコリー、ズッキーニ、ナスなどの野菜も糖質低めです。
また脂肪分が多いアボカドも、糖質は100gあたり0.9gとかなり低めなので、糖質制限中は糖質の低い野菜を上手に使って、満足感のある食事をしていただきたいと思います。
キノコ類
キノコ類は全体的に糖質が抑えられ、ビタミンDやビタミンBといったビタミン類も含まれている食品。揚げる・煮る・焼く、さまざまな調理法を選べるのも大きな魅力です。
キノコは料理のかさ増し食材としても優秀なので、食事に物足りなさを感じたときに使いたい食品です。
卵
「完全栄養食品」と言われることもある卵も、糖質が低いおすすめ食品です。
鶏卵1個あたりの糖質はおよそ0.2gほど。体調や他の食品との兼ね合いもありますが、2~3個食べても糖質的にはOKです。
食物繊維、ビタミンC以外の栄養素をすべて含み、アミノ酸、ビタミン類、ミネラル類もバランス良く含まれ、使い勝手も抜群なので、活用していただきたいと思います。コンビニでもゆで卵が簡単に手に入りますし、生卵10個で200円前後とリーズナブルな点も魅力です。
クワココくん
低糖質なメニューを上手に選べば外食もOK!
糖質・炭水化物・糖類・糖分の摂取を抑えるために、外食を控える人も少なくありません。
外食が好きな方、お付き合いが多い方にとっては辛いところですよね。しかし必ずしも、外食を控える必要はありません。
近年の健康ブームにより、食べ物に含まれる栄養素に関心が高い人たちが増え、それにともなって糖質を抑えたメニューを取り扱う飲食店が注目されています。
例えば高タンパク・低糖質をコンセプトに、低糖質な麺やパンの提供、「少なめごはん」で数十円の値引き、ごはんを豆腐などに変更してくれるサービスなど、糖質を意識している方でも利用しやすい飲食店が増えています。
もちろん特別なメニューがないお店でも、糖質制限は可能。ファストフード店でハンバーガーやフライドポテトを選ばずに、サラダとチキンを選ぶ、居酒屋のように単品でオーダーできるお店で糖質低めなメニューをチョイスするなど、工夫すれば外食の幅も広がります。
気になる商品の表示
スーパーやコンビニで商品を見ていると、気になる表示を見かけることがあります。糖質ゼロ・糖類ゼロ・糖質オフといった、食事制限をしている人にとって魅力的な単語が表示された商品。
表示の意味はよく分からないけど、何となく買ってしまっている。そんな人も少なくないと思います。
ただ、明確にわからない商品を購入するのはやはり心配ですよね?それぞれの表示について解説していくので参考にしてみてください。
糖質ゼロ
糖質ゼロとは、食品100g・飲料100mlに対して0.5g未満の糖質が含まれている商品を指します。
糖質ゼロと表現されていますが、実際にはわずかに含まれていることがあるんです。とはいえかなり微量ですから、常識の範囲内で食べる分には神経質になるほどではないでしょう。
糖類ゼロ
糖類ゼロとは、食品100g・飲料100mlに対して糖類が0.5g未満の商品に許された表示です。ほかの表示にも言えることですが、糖類はゼロでも糖質はゼロじゃない。こういったことが実際にあります。
注意したいのは糖類(単糖類、二糖類)以外の糖質が含まれる可能性があるという点です。
糖質オフ
糖質オフは、対象となる商品が食品か飲料かによって糖質の数値が異なります。食品の場合は、100gに含まれる糖質が5g以下、飲料は100mlに対して、糖質が2.5g以下の商品を指します。
他にも「低糖質」「糖質ひかえめ」というような表現が使われている場合も。
また、「糖質〇%OFF ※当社〇〇と比べて…」といった、比較対象の商品があげられているケースもあり、これは比較対象商品より糖質がカットされているうえ、食品100gあたり糖質5g以下、飲料100mlあたり糖質2.5g以下のルールを守っている商品です。
シュガーレス・ノンシュガー・無糖
飴やガムなどに表示されていることが多い、シュガーレス・ノンシュガー・無糖の表示。
実はシュガーレス・ノンシュガー・無糖の意味は、糖類ゼロと同じです。食品100g・飲料100mlに対して、0.5g未満の糖類が含まれている商品を意味します。このように意味は同じなのに、呼び方が異なる食品表示は少なくありません。
迷ったときは商品の裏の表示を確認して、正確な数値を知るようにしましょう。
正しい知識で糖質制限を長続きさせよう
この記事で、「糖質」「炭水化物」「糖類」「糖分」の違いが理解していただけたと思います。
正確にすべて暗記する必要はありませんが、ざっくりと理解しておくことで不必要な糖質を摂取するリスクも軽減できるのではないでしょうか。
いくら「糖質ひかえめ」「糖類ゼロ」といった表記があっても、たくさん摂ってしまえば糖質摂取量も多くなってしまいます。勘違いして糖質を摂取するのと、正しく理解したうえで摂るのとでは納得感も違いますよね?
忘れてしまったときは本ページをまた参考にして、正しくストレスのない糖質制限をしていただきたいと思います。
クワココくん
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