最近は、メディアで取り上げられることも多く知名度が高まっているので、“菊芋(キクイモ)”という名前だけは聞いたことがあるという方もいるかもしれませんね。
健康に役立つスーパーフードとして人気の菊芋。
このページでは、話題の菊芋の基本情報や栄養価、期待される効果・効能などを詳しくご紹介したいと思います。
菊芋(キクイモ)の基本情報
菊芋は学名で「Helianthus tuberosus」。
別名に、アメリカイモ、ブタイモ、サンチョーク、エルサレムアーティチョーク、トピナンブールがあります。
キク科ヒマワリ属の多年草で、原産地は北アメリカ。菊芋という名は「花が菊、根が芋」に似ていることが由来となっているそうで、実際、ヒマワリのような鮮やかな黄色の花を咲かせるんです。
クワココくん
諸説ありますが、菊芋が日本に伝わったのは江戸末期あたりだと言われています。
最初こそ家畜の飼料として使用されていた菊芋ですが、戦後の食糧難の頃には人の代用食にも用いられるようになりました。
そして時代の流れとともにその栄養価の高さが注目されるようになり、現在ではスーパーフードとして重宝されています。
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菊芋の栄養価と効果・効能
菊芋には豊富な栄養素が含まれています。主な栄養素としては以下があげられます。
- 食物繊維(イヌリン)
- タンパク質
- ミネラル
- カリウム
菊芋の主成分に「イヌリン(水溶性食物繊維)」というものがあるのですが、これは「天然のインスリン」とも言われ、糖質の吸収を抑える働きがあります。
糖質が気になる方、血糖値が高い方などの間で重宝されているのはこのためですね。
イヌリンは消化されるとオリゴ糖の一種であるキクイモオリゴ糖(イヌロオリゴ糖)に変わり、これが血糖値の上昇に働きかけるとされています。
イヌリン以外にミネラル豊富ということもあって、糖尿病予防への期待も高くなっています。ミネラル不足は糖尿病になってしまう要因の1つとされていますからね。
もちろん豊富な食物繊維は便秘解消・腸内環境改善にも役立ちます。
さらに菊芋に豊富に含まれるカリウムは、ナトリウム(塩分)の排出を促しむくみや血圧上昇を抑制する効果が期待されているんです。
この他にも糖質やタンパク質の代謝を促すビタミンB群などが含まれており、健康に役立つ大切な栄養素がたくさん詰まっているというのは菊芋の魅力でしょう。
また、菊芋は「芋」と名前につきますが、キク科の野菜でデンプンをほとんど含んでいないというのも特徴。
ジャガイモやサツマイモなどの芋類は、デンプンが多く高糖質ですが、菊芋はデンプンが少ないため、糖質制限向き&低カロリーな食材でもあるのです。
菊芋(キクイモ)の効果・効能! 「イヌリン」が糖尿病やメタボに!?菊芋の食べ方
菊芋は生でも加熱しても美味しく食べられます。
皮がとても薄いので、全て剥いてしまってもいいのですが、土が落ちにくい部分だけ取り除いてもOKです。
生の状態でスライスや千切りにしてサラダや和え物、漬物に。また炒め物、煮物、揚げ物、味噌汁の具にするのもおすすめですし、丸ごと焼いてバターやマヨネーズで食べるても美味しいです。
ホクホクとした食感があるので、一口大にカットして片栗粉を薄くまぶして揚げるのも美味。塩コショウをお好みでふれば、立派なおつまみやおやつになります。
菊芋ってどんな味?美味しい?まずい?美味しい食べ方をご紹介菊芋の選び方・保存方法
とても栄養価の高い菊芋ですが、選び方や保存方法なども気になります。
生の菊芋はスーパーなどでもあまり見かけることはありませんが、もし選ぶときは太くて丸々とした、硬いものをチョイスしましょう。硬いものは新鮮な証拠です。
そして、すぐに食べる場合はそのまま新聞紙に包んで常温(冬場のみ)もしくは冷蔵庫の野菜室で保存。洗ってしまうとカビや乾燥の原因になるので、土つきのまま保存して調理直前に洗います。
冷蔵庫の野菜室なら、1週間ほどは保存可能。ただ菊芋は5℃を下回ると低温障害で腐ってきてしまったり、20℃以上になると芽が出てきてしまったりするので、温度管理が大切です。
生命力が強い菊芋は、鉢やプランターを用いて土に埋めておけば、芽を出す春までそのままの状態を維持することができますが、大量にあってすぐに食べられないときでなければ、そこまでする必要はないかもしれませんね。
売り場に並んでいる時点ですでにキレイに洗浄されている場合もあるので、そういった洗浄済みの菊芋はできるだけ早く食べるようしてください。
菊芋の栽培方法
菊芋の植え付けは、寒冷地なら4月中旬~6月上旬頃、それ以外の地域なら2月下旬~4月上旬頃。日当たりの良い場所を選びましょう。
球根(種芋)に土を10㎝ほどかぶせて下さい。もしたくさん植える場合は、株と株の間を30~50㎝ほどあけるようにしましょう。
土は花や野菜用の培養土で問題ありません。比較的さまざまな土壌で育てやすい菊芋ですが、酸性土壌を嫌うので、畑で育てる際には植え付けの2週間前に石灰をまいてよく耕しておくのがおすすめです。
11月下旬~3月頃まで収穫できます。その間、除草や害虫、病気の心配はほとんどいりません。非常に強健な植物なので無農薬でも比較的しっかり育ちます。
9~10月に花が咲き、その後11月あたりになると茎や葉が枯れるので、その頃を目安に収穫して下さい。ちなみに収穫は食べるときに食べる分だけ行うのがおすすめです。
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お茶・パウダー・チップスなどの菊芋加工品が便利
菊芋は生で売られているところはほとんど見かけません。
最近の菊芋人気から、スーパー内の野菜直売所や道の駅などで入手できることも増えてきましたが、まだまだ思うように手に入らないというのが現状です。
それでも、菊芋が糖尿対策に最適なことから、需要はどんどん増えています。そこでおすすめなのが菊芋の加工品なんです。
菊芋を加工した、お茶・パウダー・チップス。加工品は生の菊芋よりはるかに管理や摂取が“お手軽”ということもあって、人気を集めています。
健康食品として利用も右肩上がりなので、ぜひお好きな商品を選んでみてはいかがでしょうか。
お茶で血糖値を下げることは可能?上がるリスクは?お茶の影響についていつもの食卓に菊芋を取り入れよう
菊芋が少しずつ注目を集め、今ではスーパーフードとしてメディアで取り上げられることも増えてきました。
売られているところこそなかなか見かけませんが、この先目にする機会も増えてくるかもしれませんね。
菊芋の加工品であれば、現在でも比較的簡単に手に入ります。いつもの食卓に少しずつ健康ケアのための菊芋を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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