お茶の残留農薬とはどのようなものでしょうか?
毎日飲んでいるお茶だからこそ知っておきたい「残留農薬」の知識。農薬について気になる基準や種類についてまとめてみました。
お茶の「残留農薬」について
お茶の「残留農薬」をご存じでしょうか?
日頃当たり前に飲んでいるお茶の栽培には、少なからず農薬が使用されていることが多いです(有機&オーガニック商品を除く)。
もちろん「有機JAS」マークが付いている商品など、厳しい基準をクリアしている場合は別ですが、気になる方であれば知っておいて損はないはず。
そんな農薬に関するポイントを順番にチェックしていきましょう。
残留農薬とは?
まずはじめに、「残留農薬」とは何か?確認しましょう。
これは、農作物などに残っている農薬のことを指します。
お茶を含むさまざまな農作物は、栽培時に農薬が使用されることは少なくありません。
害虫などから大切な農作物を守るため必要な工程と言えますが、役目を果たしたからと言ってその農薬が消えてなくなるというわけではないのです。
結果的に農作物を収穫する際にも残っている農薬が存在することがあり、そのようなものを残留農薬と言います。
お茶の残留農薬基準について
先ほどお茶などの農作物には残留農薬があるというお話をしました。しかし農作物というのは、食事を通して人の口に入るもの。
「残留農薬のあるお茶を口にしたりすることは問題ないのか?」というのが気になりますよね。
不安に思うかもしれませんが、実は農作物には残留農薬の基準というものがあります。
もちろんお茶も例外ではなく、栽培時に使用できる約100種類以上にもなるたくさんの農薬についてそれぞれ基準が定められているのです。
- シラフルオフェン:80ppm
- クロラントラニリプロール:50ppm
- クロルフェナピル:40ppm
この残留農薬基準というのは、人が毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される量が目安となっています。
単純な量だけではなく散布期限や希釈倍率も定められていますので、かなり厳格なものと言っても過言ではないでしょう。
そのため、この基準に基づいて栽培されたお茶を摂取する分には、それによる健康への悪影響はないと考えられます。
ただし逆に言えば基準を守っていないものなどは安全とは言い切れないものですから、信頼できるお茶を選ぶというのは非常に大切になってきます。
そんなお茶の残留農薬の基準値ですが、その値は他の農作物と比べると高めです。
ではどうしてそのような基準になっているのでしょうか?
お茶の残留農薬基準値が高い理由
お茶の残留農薬基準値は、他の農作物と比較して高い値となっています。
例えば先ほど例にあげた農薬のシラフルオフェンですが、お茶の基準値は80ppm なのに対してお米の基準値は0.3ppmです。
これだけでもずいぶんと差があることがわかりますよね。
なかには他の農作物と比べるとお茶の基準値が1000倍多いようなものもあり、同じ農作物という括りのなかでもお茶はひときわ基準が高いものだと言えます。
ではなぜそこまで大きな差が生まれるのかというと、それはお茶の摂取方法が主な理由だと言われています。
お茶はお米などのように直接食べるものとは少し違います。
茶葉や粉末でお茶を作る際にも、一度に使うその量は少なく大量に摂取するようなものとは言えません。
そのうえ茶葉に残っている農薬は溶け出しにくいということもあり、残留農薬の基準値としては比較的高めに設定されているようです。
しっかりと理由があっての基準値ですから、お茶の残留農薬基準が高いことに対して過度に心配する必要はないでしょう。
お茶栽培に使用される農薬の種類
本ページ前半でも少し触れましたが、お茶栽培に使用される農薬の種類には具体的にどのようなものがあるのでしょう?
シラフルオフェンやクロラントラニリプロール、クロルフェナピルなど色々とありますが、名前を聞いてもなかなかピンとこないかもしれませんね。
農薬ひとつひとつの詳細は農林水産省のホームページでも確認できるのですが、大まかにお茶栽培の農薬は殺虫剤・除菌剤・除草剤といった感じで分かれています。
なかでも殺虫剤が1番多く、その種類は100種類程度と膨大な数になります。
次いで殺菌剤が40種類程度、除草剤が10種類程度と、殺虫剤と比べると比較的少ない種類に限られていると言えるでしょう。
いずれもしっかりとした基準が定められており、その範囲内であれば健康に害を及ぼすものではなさそうです。
毎日飲むお茶だからこそ正しく選ぼう!
お茶の残留農薬と聞くと、少し不安を覚える方もいると思います。
しかし残留農薬には厳格な基準が定められており、基本的に人が口にしても大丈夫なように配慮され栽培されていると考えてよいでしょう。
不安な方はお茶を飲む際にはしっかりと商品を確認し、信頼できるものを選ぶことで安心してお茶を口にすることができるようになります。
「有機JAS」マークなどは、かなり厳しい基準で農薬や化学肥料を制限しているのでひとつの目安になりそうです。
毎日飲むものだからこそ、よりよいものを選ぶというのは大切です。
素材の栽培方法などへのこだわりもチェックし、安心できると思ったものを手に取ってくださいね。
クワココくん
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